人材育成

ブログ

保育や福祉の仕事についている人は皆「関わった子どもが成人し社会人として頑張っている姿」を見られた時、何とも言いようのない喜びが湧き上がるのは共通の感覚ではないか?

今日がまさしくその日だった。Sちゃんは保育園でも有名な泣き虫で給食も何も手に付けない頑固なまでのママ好きな女の子。そのSちゃんが4月から美容師になりアシスタントとしてデビューした。就職した先はリビングラボなどでもお世話になっている中島翔さんが運営するTRIPLE―ef。そして、このSちゃんがお世話になっているこのお店がなかなか面白いのだ。

床屋しか知らない僕が語るのもおかしな話だが、このお店の人材育成方法やブランディング、そして、コミュニティとしての魅力が実に魅力的なのだ。

いろいろお話させてもらうと、美容師が提供している価値はカットだけの技術ではなく会話や人間性も大事で、そこを高めていくことで地域に根差した美容室になっていくという経営哲学のようなものを感じる。

たしかに昔の床屋さんはいわゆる丁稚奉公の子ども達を預かり生活の術を教え育て社会に人材を提供したり、地域の拠点化していたのだから、それを現代風にアップデートしているのかもしれない。

今日はカットは社長が行い、シャンプーやマッサージなどの補助的な仕事をSちゃんが行うのだが、カットの最中にもOJTとして技術的な話もするのだが、それ以上にお客さんとのコミュニケーションの取り方をしっかり伝えてくれている印象があった。考えてみたら、保育士もそうだが、美容師もプライベートの身の上話を聞くという特別な対人援助の技術が必要だし、また、こうなってもらいたいという思いをヘアスタイルに込めてその人の行動変容までも起こす力も保育士の環境構成の思考とも似ているように感じた。

また、個人プレイの連続と思っていた仕事術が実は時間・空間・モノ・ヒトを最適化しながらチームで動いていることもわかりちょっと感動・・・意外と保育の営みと似ている。そして、学校を出たばかりの新人ちゃんが短時間であれ、一人のお客さんを任され、会話をし、時間をつなぎ、そして、今できる技術を一生懸命に行っている・・・事実。人材育成はどの業界でも大切な課題だが、改めて、本人の課題や目標を理解した上での個別性の高い働きかけが肝だなぁと再確認。

タイトルとURLをコピーしました