本日、関内フューチャーセンターで開催された『食』を通して地域と保育園をつなげるマルシェは大盛況。保育、農業関係者だけでなく、様々な職業の皆さんが集まってくれました。本当にありがとうございます。手前みそになりますが単なるイベントや実践発表の場ではなく、これからの地域社会の在り方を問い直す場となった気がします。
トークセッションで繰り返し語られていたのは「食育は、特別な活動ではなく毎日の選択から始まる」「保育園における食育は、何かを教え込む時間ではない」「毎日の給食こそが食育の基盤である」という視点でした。どこの畑で、誰が、どんな思いで育てた食材なのか。その背景を、栄養士や調理員、保育士が子どもたちに“通訳”する。この積み重ねは、食への関心を育てるだけでなく、人と人、地域と暮らしをつなぐ関係性そのものを育てているという事実が確認されました。

一方で、マルシェでは綺麗ごとだけが語られたわけではなく都市部で農家と直接つながることの難しさ、規格外野菜が届いたときの調理現場の負担、給食を外部委託することで生まれる「調理室と保育現場の分断」これらは、どの地域でも起こり得る構造的な課題なのでしょう。
だからこそ浮かび上がったのが、「この関係は、農家にとっても本当に持続可能なのか?」という問いでした。
今年度から始まった「農家ファーストのレシピ」は、この問いへの一つの実践的な応答だと思っています。
栄養計算や献立ありきではなく、「今、畑で何が採れすぎているのか」「どんな野菜が行き場を失っているのか」という農家側の現実から献立を組み立てる。規格外の小さな芋は皮付きで調理する。大きな芋は子どもたちが皮むきを手伝う。豊作のネギは主役の料理にする。こうした工夫は、フードロス削減、農家経営の下支え、そして子どもたちの主体的な学びを同時に成立させる可能性を示していました。

トークセッションの中で紹介された薫習という言葉も象徴的でした。香りが衣服に移るように、日々の習慣が人をつくる。食育も同じ、教えられた知識ではなく、関係性の中で、いつの間にか身にまとっていくもの。幼少期に土に触れ、育て、食べた経験は、たとえ思春期に食が乱れても、必ず人生のどこかで立ち戻る「根」になるという言葉は参加者みんなが納得できる言葉だった気がします。

今回のマルシェで見えてきたのは、保育園が「子どもを預かる場所」を超え、
農業・環境・福祉・経済をつなぎ直す社会的ハブになり得るという可能性だと考えています。
食は、誰にとっても日常であり、逃げ場のないテーマ・・・だからこそ、分断を超えて人を集め、対話を生む可能性を持っていることを実感した一日でした。
