1月12日までベイシア三浦の2階「ニナイテ」で行われている『ヤマダヨシオ展』は見る価値があるのでご紹介。
ご存じ三崎のくろば亭の親方、山田芳央さんの表現活動の展示会だが、見どころは三つ、①掌(たなごころ)の五百羅漢たち、②円空を思わせる木っ端仏、そして③化石のように時を封じ込めた埋もれ木のオブジェである。

それらを前にしたとき、胸の奥が静かに揺さぶられる感覚に陥る。
言葉にするのは野暮なのだがいつも思うのは、親方が削っているのは、木ではなく「余分」なのだと思います。
形をつくるために足されるものはなく、ただ、長い時間と人の手が、木の内側にすでに宿っていた“いのちの輪郭”を、そっと外へ導いている感じ・・・「見えてきた」という親方の言葉がそれを言い表しているようだ。

掌の羅漢は語らず、木っ端仏は教えず、埋もれ木は説明を拒む。ただ、こちらの呼吸が整うのを、黙って待っているように存在している。
粗さの中にやさしさがあり、欠けの中に充足がある。
整えすぎないからこそ、見る者の心が入り込む余白が生まれる。そこに流れ込むのは、安心や懐かしさ、あるいは名づけられない祈り。作品は完成しているのに、見る者の内側で、なお生成し続けるような感覚を是非、味わってください。


