ザ・キャビンカンパニー 童堂賛歌

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7月23日からそごう美術館で始まった「ヨシタケシンスケ展かもしれない」では、絵本の世界を体感できるような仕掛けやヨシタケさんの発想の源でもあるスケッチ2500枚を大公開したりと見どころ満載の展覧会となっているが、僕の中でもう一つおススメなのが平塚市美術館で開催されているザ・キャビンカンパニーの「童堂賛歌」大絵本美術展だ。

『ゆうやけにとけていく』で日本絵本賞と産経児童出版賞を受賞して今一番勢いを感じる絵本作家さんだが、彼ら(阿部健太朗さんと吉岡紗希)さんの活動は舞台美術やキャラクターデザイン、また、「子ども読書週間」のポスターになったりしていることもあり、あれっ、この絵見たことある!と感じる人も多いのではないか?

二人が作り出す独特の色彩と力強さは、美しく、恐ろしく、滑稽で、唐突・・・そう、子どもたちを魅了するのはこの作品から滲み出る世界観だと思う。

今回の「童堂賛歌」の7つの部屋も全体が一冊の絵本のようにも感じるし、その空間に入ると自分がアート作品を観に行くというよりも、むしろ自分がたくさんの作品の中に溶けて入ってしまい自他未分の状態でアクチュアリティを感じるような独特な体験となった。

鑑賞するというよりも「感じて遊んでいる」ような感覚。

一方、部屋によってはアクチュアルな世界から、客観的に作品と向き合いたくなるようなリアリティの世界に引き込まれるのが、また面白い。渦中に入り没頭したり、ちょっと冷静になり考えたり・・・こんな展覧会は滅多にない。

「あたまのなかの冒険」という詩が飾られていた。

あのこはぼうけんにでかけたかった

ゆうひがおっこちるまでふねをつくっていた

あとすこしでかんせいのときに

かあさんがやってきて

「ごはんのじかんだよ」だって

・・・・この続きは覚えていませんが、次の予定があるために展覧会会場を後にした僕の頭の中にはこの詩が強く印象に残っているのである。

 

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