くらき永田保育園の年長児たちにとって、夏のクライマックスといえば、お泊り会で訪れる「森戸川」での川遊びです。八朗園長がブログ『遊びをせんとや生まれけむ』でもたびたび綴っているように、ここでの体験は子どもたちの心に深く刻まれる「人生最初の冒険」となります。
灼熱の太陽に照らされた道から一歩森の中に足を踏み入れると、ひんやりとした空気と日中でも薄暗い感じは明らかに異空間に入り込んだ感じです。
川の水に足を入れた瞬間の驚きの声。冷たさに思わず笑い合う姿。澄んだ水の中に小さな魚を見つけ追いかける子どもたちの目は、いつもの園庭とはまた違った輝きを放ちます。
大きな石に登ってバランスを取ったり、ちょっとした段差から川の中に飛び込んだり・・・自然とのやりとりの中で、子どもたちは「どうすればうまくいくか」を自分で考え、挑戦し、試行錯誤を重ねていきます。森戸川という環境を使って「君たちは何をするのか?」と自然が子どもたちに話しかけてくるようなイメージなのです。
時に滑って転んだり、サンダルの中に石が入り歩きにくくなったり、でも、それは失敗ではなく「気づきの種」。保育者はあえてすぐに手を差し伸べず、子どもが自分の力で立ち上がる瞬間を、そっと見守ります。
森戸川での川遊びは、単なる「レクリエーション」ではありません。自然との出会い、仲間との関係、自分自身への挑戦――そうしたすべてが重なって、子どもたちの心に「生きる力の芽」がしっかりと宿っていくのが伝わってきます。
保育園生活最後の夏。森戸川は、子どもたちにとって、「一生忘れられない夏の想い出」となるのです。