300円でわかる保育士の専門性

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今日の八朗園長TVで桃先生が紹介したのは、わずか300円で作れる「乳児向け向け手作りおもちゃ」

一見すると、コストを抑えた単なる節約術や工作のように映るかもしれないが侮ることなかれ・・・。

その制作プロセスを紐解くと、そこには保育者ならではの高度な「専門知」が凝縮されていることがわかるだろうか?

細かいことを言い出したらキリがないが、皆さんに伝えたいのは三つの専門知!が隠されていること。まず、子どもの発達を見極めた「教材の再構成」という専門性。動画の桃先生は、本来「3歳児向け」として販売されている絵合わせカードを、あえて「1歳児からでも」に作り変えました。3歳児であれば机の上で論理的にパズルを合わせることができますが、1歳児にはその操作は難しく、カードが散乱するだけです。そこで保育士は、カードに穴を開けリングで閉じることで、「合わせる」教材を「めくって楽しむ」おもちゃへと変換しました。これは、目の前の子どもの発達段階を的確に捉え、その時期に最も楽しめる動作(めくる行為)を引き出すための専門的判断である。

 第二の専門性は、徹底した「リスク管理と環境構成」です。材料選びにおいて、割れて怪我をする恐れのある硬質ケースを避け、「ソフトタイプ」を選定しています。さらに、子どもの指のサイズやめくりやすさを考慮して「25mm」のリングを選ぶなど、細部にわたり子どもの行動を予測した安全配慮がなされています。保育における教師の役割とは、子どもの主体的な活動が確保されるよう、計画的に環境を構成することです。このおもちゃは、まさに計算された「環境」そのものなのです。

 そして第三に、「偶然の発見」を許容する遊びの保障です。このおもちゃは、正しい絵柄が揃わなくても、「猫と馬」が混ざったような不思議な生物が生まれる面白さを残しています。正解を教え込むのではなく、子どもが「めくる」という自発的な行為を通して、予期せぬ発見を楽しむ余白を残しているのです。これは、子どもが環境と関わりながら、自分の意志で活動を展開していく「主体性」を育む視点に基づいています。

さらに加えるなら、おもちゃのパーツが紛失するという保育あるあるの防止の観点もあった。

 たった300円の材料費であっても、そこに「発達の理解」「安全への配慮」「主体性の尊重」という保育の専門性が加わることで、それは子どもの育ちを支える豊かな環境へと変貌します。この手作りおもちゃは、保育者がいかに深く子どもを観察し、その育ちを願っているかを物語る動画なのである。