「問いの立て方」シリーズ第三弾は職員育成場面。以前の僕は、職員との個別な面談とは「答えを渡す時間」だと思っていました。経験のある自分が、まだ経験の浅い職員に、よりよい方法を一緒に考える・・・そんなイメージ。それが育成だと信じていました。
でも、いろいろ園長としての経験を重ねる中で人は答えをもらったときではなく、自分の言葉を持ったときに動き出すという法則みたいなものを感じてからは1on1の面談のスタイルが変わりました。面談の役割は、答えを渡すことではなく、その軸を見つける手伝いをすること・・・そう、ここで「問いの立て方」が大事になってくるわけです。
では、どんな問いが良いのかを自分なりに整理してみると3つくらいのポイントがあるのではないかと思っています。一つ目は、評価ではなく内省を促す問い。例えば「今年どうでしたか?」と聞くと、たいていは無難な振り返りが返ってきます。でも、「一番印象に残っている保育は何ですか?」と聞くと、その人らしい心が動いた瞬間が語られます。
二つ目は、反省ではなく意味を問うこと。「何ができなかった?」ではなく、「その経験から何を学びましたか?」と聞く。すると、出来事が単なる失敗ではなく、次につながる物語に変わります。
三つ目は、目標ではなく願いを問うこと。「来年度の目標は?」という質問は、どうしてもありきたりの一般化された言葉が返ってくることが多いのだが、「どんな保育者になりたいの?」と聞くと、その人の内側にある理想や価値観が現れる。
こうしてみると、育成とは知識や技術を増やすこと以上に、その人自身の言葉を見つけるプロセスなのだと思えてきます。だから、良い先輩(上司)とは、優れた答えを持つ人ではなく、相手の中にある言葉を引き出せる人なのかもしれません。
そして、その言葉を見つけた人はもう誰かに押されなくても、自分で歩き始めるし、やってみるとわかりますが面白いことに、面談という行為が自分にとって少し負担がなくなっても来ました。以前のように、何かを教えなければと焦ることもなく、ただ相手の言葉が生まれるのを待つっていう力は必要ですが・・・それはまた別の機会に!
