2月という時期は、保育士も、そしてご家庭でも、少しだけ「次」が見えてくる時期のようです。個人面談や懇談会の日程も決まってくることもあってか、「もうすぐ2歳クラスですね」そんな言葉を聞くことも増えてきます。そんな時期だからこそ、僕は、次のクラスに向かう前に、できるようになることより、もっと大切にしたいことがあるということを伝えたい。
例えば、乳児期という時期は、本当に面白い時期です。「自分でやりたい」でも、「やってほしい」この2つが、同時に存在しています。朝、おうちでは抱っこを求めていたのに、園庭に出たら、自分で靴を履こうとする。保育園でも靴を履くとき、片方は自分で履こうとして、もう片方は「やって」と差し出す。大人から見ると「どっちなの?」と思いますが、子どもの中では、ちゃんと両方が存在しています。「やってみたい。でも、まだ不安」
食事の場面でも同じです。スプーンを持って、自分で食べようとする。でも途中から手で食べたり、急に「食べさせて」と言ったり・・・技術的にできていないのではありません。「自分でやる世界」に足を踏み入れている途中なのだ。でも、次の日、またやる。そしてある日、急にできる。子どもの育ちは、階段のように明確な段差を登るような一直線ではありません。波のように進みます。進んで、戻って、また進む・・・それが、とても自然な姿です。

この原則の絶対条件は安心できる人がいるから、挑戦できるということ。抱っこを求めること。甘えが増えること。後追いが強くなること。それは後退ではありません。次に進むためのエネルギーをためている時間と言えるかもしれない。甘えることと、自立することは、反対ではありません。むしろ、しっかり甘えられる子ほど、外の世界に向かっていきます。
また、次のクラスは、「できることを増やす場所」ではありません。安心して世界を広げていく場所と考えてみたらどうでしょう。結果として、できることは増えていきます。でもそれは目標ではありません。一番大切なのは、「やってみようと思える」こと。大人が4月までに〇〇ができるようになって欲しいなんて思う必要なんて全くありません。
子どもたちは新しい社会に向かう入口に立っています。だからといって急に強くなる必要なんてありません。安心できる場所を持ちながら、少しずつ世界を広げていくことに楽しい気持ちを持てれば充分。
「急がせないこと」・・・いつかこの子たちは、自分で歩いて、自分で選んで、自分で誰かと出会っていきます。そのときに、「僕は大丈夫」と思える土台を、保護者と保育士一緒に作れていたら嬉しいです。
