「外で食べるごはんは、どうしてこんなにおいしいんだろう?」
誰もが一度は感じたことのある、この不思議。
キャンプでも、遠足でも、ただのコンビニおにぎりでも、外で食べるだけで味が一段上がったように感じる。あれはいったい、何が起きているのだろう。
今日は、その答えを確信するような体験をした。
強風が吹きつける海辺で、松坂牛と下仁田ネギを使った、豪華すぎる外すき焼きをしたのだ。
目の前は冬の海。風は容赦なく吹き、波の音が絶え間なく響き、波の水しぶきが浜の方まで飛んでくる。一方、手元では鉄鍋が熱を帯び、割り下の甘辛い香りが風に乗って広がっていく。
席を立てば椅子は飛び、器に卵を入れても安心して置いておくこともできない。正直、快適とは言えない。でも、だからこそいい。
松坂牛を鍋に入れた瞬間、ジュッという音とともに立ち上る香り。
そこに下仁田ネギ。太くて甘く、火が入るととろりと柔らかくなる、あの存在感。
自然の中で、最高峰の食材が、ただ「おいしくなろう」としている時間を見守る。

一口食べた瞬間、思わず笑ってしまう。。。おいしい、を通り越して、楽しい。
なぜ外ゴハンは、こんなにも人のテンションを上げるのか。
たぶん理由はシンプルだ。
・風の冷たさ
・鍋を囲む距離感
・火を扱う緊張
・今ここでしか味わえないという時間性
五感がフル稼働しているのだ。
屋内では切り離されがちな「音」「匂い」「温度」「空気感」が、全部一緒に料理に混ざり込んでくる。
しかも、強風の海という予測不能な環境。
一瞬で餅が焼けたり、鍋を押さえたり、強風で上手にコーヒーにお湯を注ぐのも大変だったり・・・笑いながら協力する。その小さなハプニングさえ、スパイスになる。

考えてみれば、子どもたちが外で食べるときに目を輝かせるのも同じだ。
「食べる」は、生きる営みそのもの。それを自然の中でやると、身体がちゃんと「生きてるぞ」と反応する。
松坂牛の旨さも、下仁田ネギの甘さも、確かに一流だった。
でも、一番おいしかったのは、風に吹かれながら、笑いながら、今ここを味わっていた時間そのものだった気がする。
外ゴハンは、料理を食べているようで、実は「体験」を食べている。
だから、何を食べてもおいしく感じるし、ときどき、信じられないくらいテンションが上がる。
強風の海辺で食べた、豪華すき焼き。これはきっと、忘れられない味になる。
