次年度を迎える前、今日も職員一人ひとりと向き合う1on1ミーティング。
一年の振り返り。来年への課題整理。行動目標の確認・・・形式だけ見れば、どこの園にもある面談だ。でも、僕の個別面談の時間は評価のために行っているのではない。僕がやらねばならないのは「内発的動機を再点火」するための時間だと思っている。
保育の現場は忙しい。事故防止、保護者対応、行事準備、記録、チーム連携。気がつけば職員は、「間違えないこと」「迷惑をかけないこと」「求められていること」をばかりを気にして、さらに優先するように行動し始める。つまり、外側の基準で動くようになる。それは悪いことばかりではないが、人間それだけでは長くは続かない。
保育士は「人は外発的動機ではなく、内発的動機でこそ本気になる」専門職だと思っている。
叱られるからやる。評価されるからやる。褒められるからやる。これでは、やがて疲れてやっていられない。一方、「自分が好き&大切にしたいからやる」「こう在りたいから挑戦する」・・・この状態になると、保育士は強い。そう、1on1ミーティングの意味は、その“Want to”を思い出す時間なのだ。
昔の僕は面談でこんなことばかりやっていた。「できなかったことの洗い出し」「来年の改善目標の設定」「具体的なスキルアップ計画」などなど。もちろんそれは必要で今もやってはいるのだけれど、それだけだと結局面談は「できない自分の確認会」になってしまっていた。

本当に大事なのは、「この一年で、あなたは何を大切にしてきたのか?」
この問いは、成果ではなく“意味”を扱う。うまくいったかどうかとか、正解だったかどうかよりも、「どんな思いで選んだか」に光を当てる方が良いと思うようになってきた。すると面談は、自己評価の場ではなく、自己理解の場になるのだ。格好良く言うなら「認知の再構成」だ。不思議なもので見方が変わると、人は前を向ける。
また、面談で一番やってはいけないと気を付けていることがある。それは、園長が正解を与えること。1on1ミーティングははアドバイスの場ではない。問いを投げ、相手の中から言葉が立ち上がるのを待つ時間でもある。沈黙も、迷いも、考え込む時間も、すべて「成長の途中」として受け止める。園長は、答えを出す人ではなく、思考を支える伴走者でなければならない(難しいけれど)
2月後半から4月にかけての年度替わりの時期は、何故だか気持ちが高揚するのが保育園。でも、気合いだけは長続きしない。続くのは「意味」なのだ。「私は、こう在りたい」「この園で、こう貢献したい」・・・その言葉を自分で見つけられた人は、強い。1on1ミーティングは「自分はなぜここにいるのか」を思い出す場にすることが園長の一番の仕事だと強く思っている。
