くらき永田保育園はシンクピアという会社生ごみ処理機を導入しています。それは単なる設備投資の話ではない。むしろ、「捨てる」という行為を見直すことから始まる、保育の話だと思っています。以前、乾燥式の処理機を使っていた時期がありました。
臭いの問題、虫の問題、メンテナンスの負担、電力消費への違和感。環境のために導入したはずのものが、本当に環境のためになっているのか。その問いは、ずっと心のどこかに残っていました。機械が壊れたことをきっかけに、僕らは今一度「どう処理するか」ではなく「そもそもコレは何なのか」について考え直しをしました。・・・そのとき出会ったのが、シンクピアさんの微生物分解方式の生ごみ処理機でした。
この装置の魅力は、ゴミを小さくすることではないと思っています(僕は)。「自然の中で起きていることを、もう一度人間の暮らしに戻す」。微生物が食べて、分解して、液肥になり、土へ戻り、また食べ物になる、そんな「物語」が気に入っているわけです。
そのシンクピアさんが導入実績のある保育園ということで本日、インタビューに来てくれました。そのやり取りの中で自分自身にいくつかの気付きがあった。あらためて感じたのは、子どもたちより、むしろ大人の学びが変わったことです。「これは入れていいのか?」「これは微生物が食べられるのか?」玉ねぎの皮は分解されにくい。卵の殻は自然界でも長く残る。果物は分解が早い。説明すると長くなりますが、つまり、「素材を見る目」が育っていること。
正直に言えば、機械の購入費とゴミ削減量だけを比較すると、簡単に元が取れるとは言えない。でも、ゴミ回収の負担が減る、カラスやネズミ被害が減る、焼却炉の負担が減る、地域の環境負荷が減る・・・そう、「捨てる前に一度考える文化」が生まれることに意義がある。
来年度は、液肥が土に戻り、野菜や花が育ち、それをまた食べる。そんなことを始めたい。僕らは、この機械を「ゴミをなくす装置」とは考えおらず、むしろ、「良いことが増えていくループをつくる装置」にしていこうと考えています。
地域の農家とつながったり、高齢者と一緒に土を触ったり、園庭の土壌を良くしたり・・・そんな小さな循環が、いつの間にかコミュニティをつくっていく。そんなことを夢想しています。もし仮に、一園で年間4トンの生ごみが減ったら・・・それが全国20,000園で起きたら・・・きっと数字以上に大きいのは、「価値観」が変わることだと思う。捨てる社会から、めぐる社会へ。保育は、子どもを育てる仕事ですが、同時に、未来の文化をつくる仕事でもあるのです。